4D ランゲージについて
4Dは独自のプログラミング言語を持っています。1300を超えるこのビルトインの言語により、4Dはデスクトップ上のデータベースアプリケーションを作成する、パワフルな開発ツールとなっています。 単純な計算から複雑なカスタムインターフェースの作成まで、4D 言語は様々なタスクに使用することができます。 たとえば、以下のようなことが可能です:
- クエリや並べ替えなどのレコード管理エディターにプログラムでアクセスする
- データベースの情報をもとに複雑なレポートやラベルを作成・印刷する
- 他のデバイスと通信する
- メールを送信する
- ドキュメントや Web サイトを管理する
- 4D データベースと他のアプリケーションの間で、データの書き出しや読み込みをおこなう
- 4D のプログラミング言語に、他の言語で書かれたプロシージャーを組み込む
4D のプログラミング言語は柔軟性とパワーを備え、あらゆるレベルのユーザーやデベロッパーにとって多種多様な情報管理業務を達成するための理想的なツールです。 初心者のユーザーであっても、計算処理を手早く実行できます。 ある程度コンピューターの知識を持っているユーザーであれば、プログラミング経験がなくてもデータベースをカスタマイズできます。 熟練したデベロッパーであれば、4D の強力なプログラミング言語を駆使して、ファイル転送や通信、モニタリングなどの高度な機能をデータベースに組み込むことができます。 他言語でプログラミング経験がある開発者は、独自のコマンドを 4D に追加することができます。
4D ランゲージとは
4D ランゲージは、私たちが日ごろ話している言語とさして変わりありません。 アイデアの表現や、伝達、指示をおこなうためのコミュニケーションの一形態です。 話し言葉と同様に、4D は独自の語彙・文法・構文を持っています。このランゲージを使用して、データベースやデータをどのように扱うのかを 4D に伝えます。
4D を効果的に使用する目的では、ランゲージのすべてを知っている必要はありません。 言葉を交わすために言語のすべてを知る必要がないのと同じです。実際、少ない語彙でも雄弁に語ることはできるものです。 4D ランゲージも、創造性を発揮するのに必要となるのはほんの一部で、残りは必要に応じて覚えればよいのです。
なぜランゲージを使用するのか
4D を使いはじめると、最初はプログラミング言語があまり必要ないように思えるかもしれません。 プログラミングせずとも広範囲のデータ管理タスクをおこなうことのできる自由度の高いツールを、4D はデザインモードにおいて提供しています。 データ入力やクエリ、並べ替え、レポート作成などの基本的なタスクは簡単に処理できます。 それだけでなく、データ検証や入力補助、グラフ作成、ラベルの生成など、多くの追加機能も提供されています。
では、なぜ 4D ランゲージが必要なのでしょうか。 たとえば、以下のような用途が考えられます:
- 自動的な繰り返しタスク: データの更新、複雑なレポートの生成、長い一連の操作などを全自動でおこなうことができます。
- ユーザーインタフェースのコントロール: ウィンドウおよびメニューの管理、フォームやインタフェースオブジェクトの制御ができます。
- 高度なデータ管理: トランザクション処理、複雑なデータ検証、マルチユーザー管理、セットや命名セレクションの処理などが含まれます。
- コンピューターのコントロール: シリアルポート通信やドキュメント管理、エラー管理が可能です。
- アプリケーションの作成: アプリケーションモードで動作する、カスタマイズされたデータベースを作成できます。
- ビルトイン 4D Web サーバーの利用: データを反映させた動的な Web ページをビルドし、更新できます。
ランゲージを使用すれば、データベースのデザインや処理を完全に制御することができます。 4D はパワフルな汎用エディターを提供していますが、必要に応じてデータベースをカスタマイズするには 4D ランゲージが必要です。
データ制御
4D ランゲージを使用すれば、パワフルでエレガントに、データをコントロールできます。 4D ランゲージは初心者にも使いやすく、経験豊かなデベロッパーの利用に耐えるほど高度です。 言語の利用により、データベースのビルトイン機能から、完全にカスタマイズされたデータベースにスムーズに移行できます。
4D ランゲージのコマンドを使用して標準のレコード管理エディターにアクセスできます。 たとえば、デザインモードにおいて「クエリ」ツールバーボタンを使って開けるクエリエディターは、QUERY
コマンドを使用することでも表示されます。 さらに、QUERY
コマンドを使用すれば、エディターを開かなくても指定したデータを検索できるのです。 たとえば QUERY ([People];[People]Last Name="Smith")
と記述すると、データベースから "Smith" という名前の人物をすべて検索します。
4D ランゲージはとてもパワフルです。ひとつのコマンドが、従来のプログラム言語で書かれた数百行あるいは数千行にも及ぶコードに相当することもしばしばです。 このパワーを持ちながら、コマンドにはシンプルな英語の名称がつけられています。 例えばクエリを行うには QUERY
コマンドを、レコードを追加するには ADD RECORD
コマンドを使用します。
4D ランゲージは、ほとんどのタスクを簡単に実行できるようデザインされています。 レコードの追加、並べ替え、データの検索などの操作がシンプルなコマンドで提供されています。 さらにコマンドを使用してシリアルポートのコントロール、ディスク上のドキュメントの読み込み、高度なトランザクション処理等を行うこともできるのです。
4D ランゲージは非常に高度なタスクをも比較的簡単におこないます。 このようなタスクをランゲージなしでおこなうことはほとんど想像できません。 ランゲージのパワフルなコマンドを使用したとしても、タスクによっては複雑で難しいものとなることがあります。 ツール自身はタスクを処理しませんが、困難なタスクの処理を助けてくれます。 たとえば、ワープロを使用すれば早く簡単に文章を書くことができますが、ワープロ自体が文章を代わりに考えてくれるわけではありません。 4D ランゲージの使用はデータ管理を楽にし、複雑なタスクにも自信を持って取り掛かれるようにします。
4D ランゲージは従来のコンピュータ言語ですか
従来のコンピュータ言語に馴れ親しんでいる方は、本節を参照してください。 それ以外の方は、この章を読みとばしても構いません。
4D ランゲージは従来のコンピュータ言語とは異なります。 4D ランゲージは、今日のコンピュータで使用できる最も先進的で柔軟性のある言語の1つです。 4D ランゲージは、人が作業をおこなうように処理するよう設計されています。
従来の言語を使用して開発を行う場合、まず念入りに計画を立てる必要があります。 実際、計画の立案は開発の重要な工程の1つです。 4D においては、データベースのあらゆる部分でいつでもランゲージを使いはじめることができます。 たとえば、初めにフォームにメソッドを追加し、いくつかのメソッドをあとから追加することができます。 データベースがより高度になったら、メニューから実行するプロジェクトメソッドを追加することもできます。 4D ランゲージは好きなだけ利用することができます。 他の多くのデータベースのような "すべてか無か" ではありません。
従来の言語では、あらかじめオブジェクトを正式な記述法で宣言・定義しなければなりません。 しかし、4D ではボタンなどのオブジェクトを作成し、そのまま使用することができます。作成したオブジェクトは自動的に 4D によって管理されます。 たとえば、ボタンを使用するためには、ボタンをフォーム上に作成して名前を指定します。 ユーザーがボタンをクリックした時点で、ランゲージが自動的にメソッドに通知します。
従来の言語は、コマンドの記述方法を制限するなどして、融通性に欠けることが多いのに対し、 4D ランゲージは伝統に縛られることなく進化していきます。