Webサーバーオブジェクト
4Dプロジェクトは、メイン (ホスト) アプリケーションおよび、ホストされた各コンポーネントの Webサーバーを起動して監視することができます。
たとえば、メインアプリケーションに 2つのコンポーネントをインストールしている場合、アプリケーションから最大 3つの独立した Webサーバーを起動して監視することができます:
- ホストアプリケーションの Webサーバーを1つ
- コンポーネント#1 の Webサーバーを1つ
- コンポーネント#2 の Webサーバーを1つ
1つの 4Dアプリケーションプロジェクトに接続できるコンポーネントの数、つまり Webサーバーの数には、メモリ以外の制限はありません。
メインアプリケーションの Webサーバーを含む、各 4D Webサーバーは、4D.WebServer
クラスの オブジェクト として公開されます。 インスタンス化された Webサーバーオブジェクトは、多数のプロパティや関数 を使用して、カレントのアプリケーションまたは任意のコンポーネントから操作することができます。
4Dランゲージの従来の WEBコマンド はサポートされていますが、その対象となる Webサーバーを選択することはできません (後述参照)。
各 Webサーバー (ホストアプリケーションまたはコンポーネント) は、個別のコンテキストで使用できます。これには、以下が含まれます:
On Web Authentication
およびOn Web Connection
データベースメソッドの呼び出し- 4Dタグの処理とメソッドの呼び出し
- Webセッションや TLSプロトコルの管理
これにより、独自の Webインターフェースを備えた独立したコンポーネントや機能を開発することができます。
Webサーバーオブジェクトのインスタンス化
ホストアプリケーション (デフォルトWebサーバー) の Webサーバーオブジェクトは、4D 起動時に自動的に読み込まれます。 したがって、新規作成したプロジェクトに次のように書いた場合:
$nbSrv:=WEB Server list.length
//$nbSrv の値は 1
To instantiate a web server object, call the WEB Server
command:
// 4D.WebServer クラスのオブジェクト変数を作成します。
var webServer : 4D.WebServer
// カレントコンテキストから Webサーバーを呼び出します
webServer:=WEB Server
// 以下と同じです
webServer:=WEB Server(Web server database)
アプリケーションがコンポーネントを使用している場合に:
- コンポーネントからホストアプリケーションの Webサーバーを呼び出す場合や
- リクエストを受け取ったサーバー (どのサーバーでも) を呼び出す場合
次を使うこともできます:
var webServer : 4D.WebServer
// コンポーネントからホストの Webサーバーを呼び出す
webServer:=WEB Server(Web server host database)
// ターゲットの Webサーバーを呼び出す
webServer:=WEB Server(Web server receiving request)
Webサーバー関数
Webサーバークラスのオブジェクト には、以下の機能があります。
関数 | 引数 | 戻り値 | 説明 |
---|---|---|---|
start() | settings (オブジェクト) | status (オブジェクト) | Webサーバーを開始します |
stop() | - | - | Webサーバーを停止します |
Webサーバーを起動・停止するには、Webサーバーオブジェクトの start()
および stop()
関数を呼び出すだけです。
var $status : Object
// デフォルトの設定で Webサーバーを起動する場合
$status:=webServer.start()
// カスタム設定で Webサーバーを開始する場合
// $settings オブジェクトは、Wevサーバープロパティを格納します
webServer.start($settings)
// Webサーバーを停止します
$status:=webServer.stop()
Webサーバープロパティ
Webサーバーオブジェクトには、Webサーバーを構成する さまざまなプロパティ が含まれています。
これらのプロパティは以下のように定義します:
.start()
関数のsettings
パラメーターを使用して定義します (読み取り専用のプロパティを除く、後述参照)。- 上を使用しない場合は、
WEB SET OPTION
コマンドを使用して定義します (ホストアプリケーションのみ)。 - 上を使用しない場合は、ホストアプリケーションまたはコンポーネントの設定で定義します。
- Webサーバーを起動していない場合、プロパティには Webサーバーの次回起動時に使用される値が含まれています。
- Webサーバーが起動されている場合、プロパティには Webサーバーで使用される実際の値が含まれます (デフォルトの定は
.start()
関数のsettings
パラメーターによって上書きされている可能性があります)。
isRunning、name、openSSLVersion、perfectForwardSecrecy は読み取り専用のプロパティで、
start()
関数のsettings
オブジェクトパラメーターで事前に定義することはできません。
4D Webコマンドのスコープ
4Dランゲージには、Webサーバーの制御に使用できる いくつかのコマンド があります。 ただし、これらのコマンドは 1つの (デフォルト) Webサーバーで動作するように設計されています。 これらのコマンドを Webサーバーオブジェクトのコンテキストで使用する場合は、そのスコープが適切であることを確認してください。
コマンド | スコープ |
---|---|
SET DATABASE PARAMETER | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB CLOSE SESSION | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB GET BODY PART | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB Get body part count | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB Get Current Session ID | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB GET HTTP BODY | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB GET HTTP HEADER | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB GET OPTION | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB Get server info | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB GET SESSION EXPIRATION | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB Get session process count | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB GET STATISTICS | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB GET VARIABLES | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB Is secured connection | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB Is server running | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB SEND BLOB | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB SEND FILE | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB SEND HTTP REDIRECT | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB SEND RAW DATA | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB SEND TEXT | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB SET HOME PAGE | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB SET HTTP HEADER | リクエストを受け取った Webサーバー |
WEB SET OPTION | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB SET ROOT FOLDER | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB START SERVER | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB STOP SERVER | ホストアプリケーション Webサーバー |
WEB Validate digest | リクエストを受け取った Webサーバー |