Storage
Storage -> 戻り値
引数 | 型 | 説明 | |
---|---|---|---|
戻り値 | Object | ← | 登録された共有オブジェクトおよび共有コレクションのカタログ |
説明
Storage メソッドはカレントのマシンあるいはコンポーネント上において、Storage オブジェクトに登録した共有オブジェクトまたは共有コレクションの一覧を返します。
Storage から返されたカタログは、4Dによって自動的に作成され、プリエンプティブプロセスを含めてデータベースの全てのプロセスが利用可能です。マシンとコンポーネント一つにつきStorage カタログは一つしかありません。C/S アプリケーションにおいては、サーバーにStorage 共有オブジェクトを一つ、リモート4D アプリケーションにStorage 共有オブジェクトを一つ持つことが可能です。データベースがコンポーネントを使用する場合、一つのコンポーネントに対しStorage オブジェクトは一つです。
Storage から返されたカタログを使用すると、あらゆるプリエンプティブプロセスあるいは標準プロセスで使用可能な共有オブジェクトあるいは共有コレクションを、すべて参照することができます。共有オブジェクトあるいは共有コレクションをカタログに登録するためには、その参照をStorage から返された共有オブジェクトに追加します。
Storage から返されたカタログは共有オブジェクトであるため、共有オブジェクトと共有コレクション の章で説明されているルールに従いますが、以下の点に注意する必要があります:
- このオブジェクトは共有オブジェクトあるいは共有コレクションのみ格納することができます。他の値(非共有オブジェクトあるいはコレクション、null値、スカラー値)を追加しようとした場合、エラーが生成されます。
- このオブジェクトにプロパティを追加する際には、それはUse...End use 構造でくくられている必要があり、そうでない場合にはエラーが返されます。ただし、属性の読み出しはUse...End use 構造の外側でも可能です。
- Use...End use 構造でくくられているとき、Storage の第1階層は他のプロセスからはロックされます。
- 標準の共有オブジェクトとは異なり、Storage から返されたオブジェクトは、属性として追加された共有オブジェクトあるいはコレクションとはロック識別子を共有しません(この点についての詳細な説明については、ロック識別子 の章を参照して下さい)。
例題 1
典型的な例としては、Storage オブジェクトをの中で初期化する場合が考えられます:
Use(Storage)
Storage.counters:=New shared object("customers";0;"invoices";0)
End use
例題 2
この例ではStorage 値を設定する標準的な方法を紹介しています:
Use(Storage)
Storage.mydata:=New shared object
Use(Storage.mydata)
Storage.mydata.prop1:="Smith"
Storage.mydata.prop2:=100
End use
End use
例題 3
Storage では以下の例で紹介するように、レイジー初期化を使用することでsingleton を実装することができます。
注: Singleton パターンについてのより詳細な情報については、Wikipediaの記事を参照してください。
var $0 : Integer
var $counterValue : Integer
var counter : Object //プロセスのcounter への参照を作成
If(counter=Null) //参照がNullであれば、Storageから参照を取得
Use(Storage) //Storage のUse は一度限りで十分!
If(Storage.counter=Null)
Storage.counter:=New shared object("operation";0)
End if
counter:=Storage.counter //counter共有オブジェクトの参照を取得
End use
End if
Use(counter) //共有オブジェクトcounter を直接使用(Storage を使用する必要はなし!)
counter.operation:=counter.operation+1
$counterValue:=counter.operation
End use
$0:=$counterValue
参照
共有オブジェクトと共有コレクション